陽だまりの唄
第2章 恋愛模様 in 隠れ家 ①
語気の荒い二人のやりとりを聞いていたら、なんだか居心地が悪くなってきてしまった。
こんなことでタカさんと立花さんの仲が悪くなってしまうのはイヤだな。
「えと、私、帰りますね。明日の朝も早いので…また食べに来ます」
ご馳走さまでした、と言って立ち上がる私の顔は、ひきつってないかしら。
「えっ…、あれ?」
私の腕をしっかり掴んでいたのは立花さん…。
「あの…、立花さん?」
私を見上げる立花さんの顔がいつもより近い気がして、私の鼓動は早くなってしまう。
立花さんの顔から目が離せないでいると、彼の形のよい薄めの唇が開いた。
「陽菜ちゃん…連絡先、教えてよ」
「…へ?」
「俺、陽菜ちゃんとメールとかしたい」
もちろん私だって立花さんともっと仲良くなりたいよ!
でもね、以前…テレビ業界の知り合いに教えてもらった、芸能界の掟とやらがあるって…だから…。
「えっ…だって…私みたいな一般人の連絡先が立花さんのに入っていたらよろしくないでしょ…?」
「は?なにそれ?友達の番号、普通に入ってるし」
「あっ…そ、そうなんだ。あの、立花さんが迷惑でなければ、全然大丈夫…です」
そう答えれば立花さんがにっこり笑った。
あの…光が、キラキラが見えます!
私、眩しくて倒れちゃうかもです!
手が震えそうになっているのを知られたくなくて、急いで頭を仕事モードに切り替える。
血の気が引くように、すぅっと冷静になっていく自分。まるで取引先との名刺交換のように淡々と連絡先を交換した。
私、これ以上ここにいたら…何やらかすか分からないよ…。
なんだか色々恥ずかしくなってしまった私は、立花さんの顔を見れないまま、キャリーケースを座席の下から引きずり出すと、ぺこりとお辞儀だけして店を出た。
駅に向かう途中、だんだん落ち着いてくれば、さっきの出来事が夢のようで。
すごく嬉しい…。
にやけてしまいそうな口許を引き締めながら、私は家路を急いだ。
こんなことでタカさんと立花さんの仲が悪くなってしまうのはイヤだな。
「えと、私、帰りますね。明日の朝も早いので…また食べに来ます」
ご馳走さまでした、と言って立ち上がる私の顔は、ひきつってないかしら。
「えっ…、あれ?」
私の腕をしっかり掴んでいたのは立花さん…。
「あの…、立花さん?」
私を見上げる立花さんの顔がいつもより近い気がして、私の鼓動は早くなってしまう。
立花さんの顔から目が離せないでいると、彼の形のよい薄めの唇が開いた。
「陽菜ちゃん…連絡先、教えてよ」
「…へ?」
「俺、陽菜ちゃんとメールとかしたい」
もちろん私だって立花さんともっと仲良くなりたいよ!
でもね、以前…テレビ業界の知り合いに教えてもらった、芸能界の掟とやらがあるって…だから…。
「えっ…だって…私みたいな一般人の連絡先が立花さんのに入っていたらよろしくないでしょ…?」
「は?なにそれ?友達の番号、普通に入ってるし」
「あっ…そ、そうなんだ。あの、立花さんが迷惑でなければ、全然大丈夫…です」
そう答えれば立花さんがにっこり笑った。
あの…光が、キラキラが見えます!
私、眩しくて倒れちゃうかもです!
手が震えそうになっているのを知られたくなくて、急いで頭を仕事モードに切り替える。
血の気が引くように、すぅっと冷静になっていく自分。まるで取引先との名刺交換のように淡々と連絡先を交換した。
私、これ以上ここにいたら…何やらかすか分からないよ…。
なんだか色々恥ずかしくなってしまった私は、立花さんの顔を見れないまま、キャリーケースを座席の下から引きずり出すと、ぺこりとお辞儀だけして店を出た。
駅に向かう途中、だんだん落ち着いてくれば、さっきの出来事が夢のようで。
すごく嬉しい…。
にやけてしまいそうな口許を引き締めながら、私は家路を急いだ。