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陽だまりの唄

第2章 恋愛模様 in 隠れ家 ①

***** 理人 side *****

俺が名乗っても、にっこり笑うだけ。

うわ、めちゃくちゃかわいいんだけど。
いやいやいや、待て待て待て?
え、もしかして俺のこと知らないのか?

少なからずショックだった。
最近はCMやドラマにも出てるから、そこそこ知名度はあると自惚れていたんだ…。

タカさんの店は都心にあるとはいえ、口コミと常連客だけでひっそりと賑わう"隠れ家"的居酒屋だ。
この店を知った理由を問えば「タクシーの運転手さんに教えていただいたんです」とのこと。

陽菜もまた疲れていたらしい。
職場と家との往復だけで、気分転換できる店を探していたという。
それを聞いた俺はますます親近感を覚えた。

俺も仕事の話はあまりしないけど、陽菜もそうだった。大抵、タカさんを交えてくだらない話で盛り上がって笑い転げていた。

陽菜といるのはすごく楽しい時間。
気取らなくていい。"RIHITO"じゃなく"立花理人"という、ありのままの俺でいられる。
そして、俺はもっと陽菜のことを知りたくなる。

これが恋ってやつなのか…?






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