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陽だまりの唄

第1章 変わらない日常

昼食を食べ終わって会社に戻ると、主任が手招きしているのに気づいた。


「時任、明後日のパッケージ乗れるか?」

どうやら明後日出発のパッケージツアーに同行する予定だった添乗員のキャンセル事案が発生したらしい。この忙しい時期に急な添乗ができるのはアサイナーしかいない。決して珍しいことではない。

「行き先はどこですか?」

「北海道2泊3日」

「打ち合わせは明日でも大丈夫ですか?」

「ああ、頼む。一発目だから、報告書はコピーしてファイリングしておいてくれ」

一発目ってことは、企画商品として初めて売りに出すツアーだ。お客様だけでなく添乗員にとっても未知の旅になる。
この一発目の報告書や手応え次第で、会社にとっても推していく商品になるかが決まるから、プレッシャーだ。



久しぶりのパッケージツアーの添乗に、私は高揚する気持ちをおさえられない。


「報告書楽しみにしてるぞ」

榎本先輩がデスクの向こう側から手をヒラヒラさせながら言った。

「期待しててくださいね!」

私はこぼれる笑みを隠さずに答えた。




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