僕は君を連れてゆく
第22章 ネクタイに指をかけたら
ここが、どこで、あなたが誰で。
俺はいつも、冷静な方だと思う。
何を考えてるかわからないというのとは違って、いつも、外から周りを見ているような感覚で。
でも、主任と恋人同士になって、違う顔、俺にしか見せない顔を、知ってしまったら今までの俺は、俺じゃなかったかもしれないと思うほど、周りが見えなくなって、俺の欲望のままに主任を貪ってしまうんだ。
テーブルに伏せた主任。
スラックスは膝の辺りにかろうじてとどまっている。
おしりに手を添えてグチュっと俺の先端を主任の後ろのお口に突っ込んだ。
反った背中と括れた腰が艶かしい。
「ほら、力抜いて…俺の入んないよ?」
優しく囁くと、頭をこちらに向けた。
涙やよだれ、汗でぐちゃぐちゃなその顔。
俺はまだまだ、足りない。
もっと、欲しがれって。
ガクガクと震える下肢。
辛うじて上半身を支えている肘。
全てが俺を煽る。
「かずさんっ!あ、あ、あぁ…」
俺が名前を呼ぶと俺のを絞めつけてくる。
もっと、名前を呼んで!そう言ってるみたいに。
「あぁ、キツい…やべぇ…」
「しょう、あん、あ、あ、あん!あぁ…イク…」
「まだ、ダメ…」
主任のソレの根元を握る。
「なん、で?や、や、あん!あん…」
ドロドロの後ろのお口は俺を掴んで離さない。
「好きだっ、かずさんっ!」
主任のソレを握って上下に擦る。
ヌチャヌチャと音が大きくなっていくと、
俺の腰を動かすスピードも速くなる。
「あっ…あっ…もぅ、ダメ…イキたいっ…」
「くっ!かずさん、かずさんは俺のだろっ?」
こんな姿は誰にも見せるな。
俺にだけ。
お前は俺のもんだ。
「しょ…う…ダメぇ…イキたぃ…あ、あん、あん…」
静かな資料庫に響く喘ぎ声。
「うっ、あぁぁぁ…」
かずさんの中に放ちたいって思ったけれど、ここは社内だ。
あとのことを考えたら…
俺のソレを引き抜いてかずさんの綺麗な背中を
目指して俺の欲を放った。
かずさんの背中に体を重ねた。
二人の呼吸が合わさっていく。
ピクリと体を動かしたかずさん。
「あ、ごめん。重い?」
「翔…」
体を拭くものが何もないことに気がついて…
「待って…体拭かなきゃ…」
自分のスラックスに入ってるハンカチで背中を拭いた。