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僕は君を連れてゆく

第22章 ネクタイに指をかけたら


櫻井と相葉がじゃれてる。
二人は本当にいいパートナーなんだ。

これからも二人にはいい関係でいて欲しいと願う。
俺がこんなこと願うのは相葉に酷なことかもしれないが…

「主任!1番、大野社長です。」

社長から、電話…
嫌な予感がする。

出たくない…

「はい、二宮です。」

『しもしも?』

「なんですか?忙しいんですけど…」

『いいのかなぁ。そんな口きいて…』

「なんですか…」

『ニノが下なんだね…』

「ほぇ?」

『ニノ、もう少し食べたほうがいいね。うん。』

「はへ?」

大野社長は、大学の先輩でこの会社を起業するときに声をかけてくれて現在に至る。

今はきちんと、”大野社長“と呼べるようになった。
最初は慣れなくて…だって…あんな人が社長だなんて…

俺と翔の関係にもいち早く気がついて…

とあるこどに、上手くいってるの?とか聞いてきて…
にしても、今の言い方ってどう考えても…

「なにを見た?」

『言っていいの?』

「いやここでは…」

『あそこ、社長室からよく見えるの。よかったね、見てたのが俺で…』

笑いながら電話は切れた。


俺のバカ!バカ!バカ!

あんなところで盛って…
ダメwoman!
じゃねぇよ!
ダメ紳士?!

俺は翔を見た。

そうしたら、翔と目があった。

(だいじょうぶ?)

大丈夫ではない…

「櫻井!1番!大野社長だよ?!」

「「えっ!?!?」」

俺まで、えっ!とか言っちゃったし…

「はい、櫻井です。はい!ありがとうございます。え?いや~。あぁ…そうなんですぅ…♡」

なんだ?

「え?いやいや…ありがとうございます…」

翔は俺にチラチラと視線を寄越しながらも、頬を赤く染めて社長と話しているようだ。

なんだってんだ?

余計な事言ってなきゃいいけど…

「主任、これ、確認いいですか?」

仕事しなきゃ、仕事!

「わかった。」

翔と社長が、気になったけれど俺は目の前の仕事を片付けていった。

「このまますすめてくれ!」

「わかりました。」



気がつくと、あと5分で就業時間になっていた。

帰り支度をする者。
予定を確認する者。

就業時刻を知らせる音楽が流れた。

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