僕は君を連れてゆく
第25章 お祭りの後は…
こんな世界があったことを全く知らないわけではない。
このように愛し合う人達を否定するつもりもない。
大輔さんとの、あの夜は俺には衝撃的な夜で、
まさか俺が?大輔さんを?
大輔さんは、忘れてええでって…
忘れられなかった。
だって、今までに感じたことのない快感があって、
だって、ケツだよ?
物凄かった。
それに…
翔くんの長い指。
大野さんの頬のキズ。
相葉くんの襟足。
ニノの顎のホクロ。
メンバーの表情の1つ、1つが、
しぐさの1つ、1つが…
どんな風に喘ぐのだろう?
どんな風に…
そう思ってしまうんだ。
「なに、煮詰まってんの?」
「え?」
「話してよ…一人でやっててもあれでしょ?」
今日はニノと雑誌の撮影でスタジオにいる。
俺はニノのゲームする横顔を見ながら
もし、俺がニノを抱いたら…
そんなことを考えていた。
「うん、まぁ、そうだな…今回はソロがないからさ…」
コンサートの構成について考えていることを話始めたら、ゲームをそっとしまい、頷きながら、時々、俺を見ながら相槌をしてくる。
そう、この顎のラインが俺は好きなんだ。
シュッとしていて、唇が少しだけ突き出すような。
「ちょっ…な…」
ダメだ…
抗えない…
見つめていたら、ニノに向かって手を出していた。
ホクロに触れた。
「どぅ、した…え!まっ!」
顎から唇を指でなぞる。
頬を赤く染めて戸惑っているニノ。
「…ニノ…」
驚きすぎて動けないのか、ニノは肩に力が入っていて微動だにしない。
「…な、に?…」
「お願いがあるんだけど…」
焦る必要はない。
今日は午後まで二人きり。
撮影が終わる頃には、俺ともっと一緒にいたい、
そう思わせればいい。
「キスしたい…」
「…え?…」
そのまま、頭を両手でそっと挟み、唇をふさいだ。
チュッと、小さいキスを繰り返す。
「あっ、ね、ん、ぁぁ…」
声を出そうものなら、その舌に俺の舌に絡めた。
ニノの咥内は甘い。
「んっ、ふっ…」
時々、漏れる声。
鼻から抜ける息。
気持ちいい。
ゆっくり、頭を抑えたまま唇を離す。
唾液で濡れたニノの唇。
目尻に溜めた涙。
「あとで、続きしたい…」
おでこを着けたままニノに伝えた。