僕は君を連れてゆく
第25章 お祭りの後は…
「ん…」
目を開けたら見慣れない天井があった。
確か、昨日は…
横を向いたら猫背な背中がこちらを見た。
「…起きた?」
「…あ…うん。」
ゲーム機をパタンと閉めて立ち上がる。
ゆっくりと腰を庇うように歩いてる。
「悪かったな…」
「本当に。最悪。っていうか、あんだけヤってさ。そのままにしておく?自分が満足したら寝るって…朝起きて俺、最悪よ…ドロドロのぐちゃぐちゃよ?」
「悪かったよ…」
「で、結局、何がしたかったの?誰かに男の良さ、教えてもらって、俺でまたそれを味わいたかったってことでしょ?」
「…」
何も言えない…
その通りです。
「で、どうだったの?」
コーヒーカップをひとつひとつだけ持って俺の方へ歩いてくる。
俺が横たえるソファに腰かけるニノ。
「どうだったって?」
一口、コーヒー啜ったニノ。
コーヒーカップから上る湯気。
「俺。」
柔らかく微笑むニノ。
なんて答えれば正解なのか…
「フフフ。意地悪な聞き方してるね、俺。」
と、また微笑むニノ。
「誰に教わったかは知らないけど…きちんと後始末してよね?それが出来ないとモテないよ?」
さぁ、シャワー浴びてくでしょ?とまた立ち上がるニノ。
マグカップをテーブルに置いて。
「あ、飲む?ソレ。インスタントだけど。」
イテテと腰をさすりながら俺から離れていく。
そう言われて、ニノが口づけたコーヒーカップに俺も口つけて飲んだ。
「アツッ!」
安い香り。
ブラックの香り。
「いつから?大野さんと。」
俺は気にしてることを聞いた。
「聞かない方がいいんじゃない?」
食パンを出してそのままかじるニノ。
俺はニノが畳んでくれたあろうパンツをはいて
ソファから起き上がる。
もう一度、コーヒーに口をつけてそれを持ってニノのいるキッチンへ。
それを、差し出したら左手で受け取る。
「いいじゃん。昔のことなんでしょ?」
「遊びみたいなもんよ。何もないよ。」
「この間、食事行ったんだろ?その後どうしたんだよ?」
「シタか?ってこと?」
俺は頷いて、ニノと同じように食パンを取った。
「プライベートなんで!」
と舌をだした。
ふーん。
そうなんだ。
それから俺達は時々、セックスしていた。