僕は君を連れてゆく
第25章 お祭りの後は…
ニノと初めて関係を持ってからどれくらいたったか。
お互いに映画の公開があったりしてなかなか会えない日が続いていて俺はかなり欲求不満だった。
大野さんとコンサートの打ち合わせが入ることになったある日。
俺はその日はその打ち合わせしかなかったけど、大野さんは午前中にロケにでて、取材を終えてから俺と合流することになっていた。
取材が巻いたと嬉しそうに俺に向かって手を振ってきた大野さん。
向かい合わせに腰掛けるかと思いきや、俺の隣に座ってきた。
「え?」
「ん?」
「いや、別に…」
やっぱり、調子が狂う。というか、この人のペースになってしまう。
同じクラスにいたら絶対に仲良くなれないタイプ。
「俺さ今回、翔くんと松潤のやつ振り付けしたいんだけど…???どうかな?」
「マジで?」
「うん、なんか、出来上がったの聞いたら頭に二人の映像が浮かんじゃってさ…ニノと相葉ちゃんのもやろうかな?どうかな?」
「映像が?マジか~お手柔らかに!」
と、わざとらしく上目使いで手を合わせた。
「…う、うん。」
「「アハハハハハぁ!」」
それから、大野さんの頭の中の映像を話してもらったり、今までのライブのDVDを見たり…
あっという間に時間が過ぎた。
「松本さん、ここあと30分です。」
「リーダー、寝なかったね…俺、リーダーが寝ると思って覚悟してきたのに…」
「ね?寝なかったね…」
「なんだよ、それ、」
「どうする?解散にする?」
「え?」
「これで上がりでしょ?飯でも行く?」
そんなこと言うなんてめずらしぃ~
お誘いを受けるなんてめったにないから二つ返事で頷いてタクシーを呼んでもらうことにした。
「何食いたい?」
「リーダーは?」
「米!」
「米!」
「肉?」
「肉?」
タクシーに乗って、結局、俺がよく行くお寿司屋さんまで乗せてもらって、大野さんと二人きりなんてめずらしいから、グイグイとお酒が進んだ。
「やべぇや…ねみぃ…」
「めずらしいね?こんなに飲むの…」
「リーダー…お会計…」
お会計をどちらがするか…割り勘になって。
次へ行こう!二軒目だ!と騒ぐ俺の頭を撫でられる。
悪くないな。
「タクシー呼ぶか?」
スマホを片手に大野さんが言った。
そこから、俺の記憶はプツリと途絶えた。