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僕は君を連れてゆく

第25章 お祭りの後は…

-Satoshi side-

まだ反応していないソコに下着の上からキスをした。

打ち合わせのスタジオに入ったとき、スタジオの空気は最悪だった、と思う。
スタジオのドアを開けようとしたら一人の若い女の子が俺の肩をトントンとたたいた。
振り向くと小さい声で、まつもとさんピリピリしてます、と言った。

帰りてぇ~と思った。
ヒリ潤は面白いけど、ピリ潤はマジで怖いから。
こういうときは翔くんじゃないとダメなんだよ。

とにかく、穏やかに、触らぬ神にナンとからしいからスタジオに入る。

俺を見た松潤は俺が思ってるより、ピリピリ潤だった。

目があったから、釣りのリールを巻く真似をして
「取材、巻いたんだ♪」と声をかけたらピリピリは影を潜めた。

隣に座ったら俺をまじまじと見るから同じように見てやった。

コンサートの話をする松潤は本当に楽しそうで、頼もしい。
日々、勉強というのか、好奇心、探求心が強いのかな?

今回のコンサートで俺はユニット曲の振り付けをやりたいなって思ったことを伝えたら、すごく嬉しそうに笑ってくれた。

頭の中に浮かんでくる映像を俺なりに伝えてはみるけど…

「こうやってさ…顔を寄せて…」

「翔くんと俺が?」

「いや、じゃなくて手のひらに顔を寄せんの!」

「あ、なに、手を?」

「うん、多分…」

「わかんね~ニノに通訳してもらわなきゃ…」

ニノに、か…

「ニノには伝わるんだよな…なんでだろ?」

「そんなん、俺が知るわけないじゃん!」

「だよね~」

ニノの名前を俺が出しても声色も変えずに…
さすが、役者だね。




「松本さん、ここあと30分です。」
時間はあっという間に過ぎた。
「これで上がりでしょ?飯でも行く?」
誘ってみたら驚いてはいたけどお寿司屋さんに連れていってくれるらしい。
そして、お寿司屋さんではしゃべりながら一人でピッチをあげてお酒を飲む松潤。
酔うとこの子は俺みたいに泣くからな…

どんどん、飲みな。
俺がめんどう見てやるから。

可愛い、可愛い、末っ子。
俺たちの末っ子。



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