僕は君を連れてゆく
第25章 お祭りの後は…
「二宮さん、行きますよ?」
「あっ、はい。じゃぁね?」
相葉くんの背中を数秒見つめてから帰っていくニノ。
「いいの?」
「ん~なにが?」
相葉くんは雑誌をパラパラとめくりながら出ていくニノの顔も見なかった。
やっぱり、付き合ってるわけじゃないのかなぁ。
「お仕置きだよ。」
「え?」
「懲りないんだよね。ニノちゃんは…まぁ、俺が許しちゃうからなんだろうけど…」
「懲りないって…」
「このあと、予定ある?少し聞きたいことあるんだ。来るよね?」
予定なんか何もない。
でも、太陽みたいな相葉くんの笑顔ではなくて。
「あ、うん。行くよ。」
ドキドキしている。
テレビで見る相葉くんとは違う、相葉くんがいるから。
車で来ているという相葉くんの車に乗せてもらった。助手席にはニノが時々、被ってるキャップが置いてあった。
相葉くんはそれを被って、車はスタジオを後にした。
「どうぞ。」
相葉くんの家にくるのは初めてだ。
「お邪魔します。」
そこは、ニノがいつもいるんだろうか…
あのサンダルも、パーカーも見たことがあるものだった。
「飲むでしょ?」
冷蔵庫から缶ビールを持ってきてくれた。
ソファーに座った相葉くん。
俺は斜め向かいのローテブルの前に座った。
相葉くんも飲むだろうと思ってビールを飲んだ。
けど…
相葉くんは缶ビールを握ったまま。
「飲まない、の?」
「俺、ニノと付き合ってるのね。」
俺の声と被さるように相葉くんの声が。
「あ、そう、なんだ…」
「で、どうだった?」
「え…どうって…」
「ニノと、ヤったんでしょ?」
相葉くんはそれを言ってからビールを飲んだ。
「ニノから聞いたの?」
「そうだよ。」
俺はどうしたもんかと、困った。
ニノには恋人はいないだろうと思っていたから…
まさか、相葉くんだなんて…
「そっか…俺、知らなくて…二人が付き合ってるって…」
「そうみたいだね…」