僕は君を連れてゆく
第25章 お祭りの後は…
白いニノの顔は少し、青く見える。
「なに言ってんの?」
「だって、そうじゃん?ニノ、気持ちがいいから、松潤とヤったんでしょ?」
相葉くんは俺とニノを見ないで包丁を動かしている。トントンと軽快なリズムは俺達の間に流れる空気の中で空回りしてる。
「それは、謝ったじゃん?許してくれたんじゃなかったの?」
「許してるよ。じゃなきゃ、松潤を家に呼ぶわけないじゃん。俺はニノを責めたりしないよ。」
鍋にお湯を入れてコンロの火を着ける。
「それとも、悪いことしてるって、怒られたいからやってるの?」
ニノは眉を下げて、肩まで下がっている。
タオルで手をさっと拭いて、ニノの肩を抱いた相葉くん。
「ちゃんと話してくれたじゃん。それで、いいんだよ。」
ニノは相葉くんの顔を見ない。
体を自分の方へ引き寄せ、顔を近づける。
あ、キスする、と思ってなんとなく、目を閉じた。
「ちょ、やめてよ、見てるじゃん…」
目を開けたらニノは相葉くんの胸を押して体を離した。
「ね…まさか、松潤のこと、好きになっちゃったの?」
鍋のお湯は沸騰してブクブクと大きな気泡が浮いては消えていた。
ニノは相葉くんの質問に大きく目を開けて、驚いているように見える。
そんなこと、あるはずないと。
俺は、相葉くんが好きだ、ってその瞳は言っている。
カチッとコンロの火を止めた。
「そんなことないか、ごめんね?変なこと言って。」
相葉くんはニノのこめかみにキスをした。
そして、俺を見て
「やっぱり、俺、怒ってる。ニノのことも松潤のことも。」
「それなら、俺が。ちゃんと、言わなかったから、相葉さんのこと、だから!」
「そうだね、ニノが悪いよね。でも、気持ちいいこと教えたのは俺だから、俺が悪いのかな…そうだね、俺が悪いんだ。だから、俺の前でヤってよ。ニノ、松潤とヤれよ。」
「だから、なんで、そーなんだよ!」
俺は相葉くんの言ってることがわからなくて、つい、声を張り上げた。