僕は君を連れてゆく
第27章 沸騰しちゃいそう
「俺の翔くん、なんてカッコいいんだろう♡」
「はぁ?」
「大野さんの心の声!漏れちゃってるからね?」
「そっ、そんなこと…」
そんなこと思ってないよ…?
俺の、だなんて…
「あっ!!しょーさぁーーーん!!!」
ニノがグラウンドに向けてブンブン手を振っている。
「なに、やってんだよぉ!!もう!!」
とか、言いながら翔くんを見つめる。
「あっ!」
翔くんがこっちに、気がついて手を振ってくれてる。
ニノは右腕がもげるんじゃん?っていう程、手を振ってる。
俺も負けじと両手で手を振った。
「はぁ~♡」
「なに?その溜め息…」
だって、爽やかなんだもん。
俺だって、翔くんのことばっかり考えてるよ…
「早く、委員会終わんないかな…」
ニノはゴロンと横になった。
俺も隣に横になった。
「ねぇ、翔さんともう、キスした?」
「えっ!?!?!」
「まだなんだ…」
「したの?」
「ううん。ホッペにチュウだけ…今朝、手を繋がれてすっごい、ドキドキした…」
「手を繋いだの?」
「まぁ、時間もギリギリだったから…早く行こうって手を握ってくれた…」
その朝のことを思い出してるんだろう…
ニノは顔を赤らめて嬉しそうに話す。
「嬉しかったなぁ…」
「いいな。」
「え?」
「いや、なんでもない!」
手を繋ぐ、とか。
ホッペにチュウ、とか。
キ、キ、キスなんて…
俺と翔くんがキスなんて…
キャーーー♡
俺は自分と翔くんの唇が重なりあうのを想像して
両手で顔を覆った。
「なに、一人でモンモンしてんのよ!」
そうだ。
隣にニノがいた。
「あっ、相葉くんからだっ♡もしもし?」
ニノは相葉くんからの電話に出た。
「委員会終わったって♡俺、帰るね~♡」
「うん。またね!」
帰り…二人は手を繋ぐのかな…
もしかして、そのまま、キスとか…
いいなぁ…
俺も翔くんと…
キスしたいなぁ…
空に浮かぶ二つの雲が風におされてくっついた。
翔くんとくっつきたいなぁ…