僕は君を連れてゆく
第29章 BB
なんだか、目をそらせない。
相葉の目。
黒目がちなその目。
真っ直ぐで純粋な目。
引き込まれていく。
「ニノ…」
そんな目で俺を見ないでくれ。
この世界に俺とお前の二人しかいない…
「何、見つめあってんだよ!!!」
!?!?!?!?
いや、いや。
俺と相葉はバディだ。
それ以上でも、それ以下でもない。
気の合うバディ。
気になるバディ…
「まつじゅーん!!また、邪魔するぅ!」
「はい、今回だけだよ?これに書いてね。」
「あぁ~♡神様、仏様、松本様♡」
相葉は松本の手を握っている。
相葉…面白い奴…それだけ…
俺は二課に連絡をとることにした。
「もしもし?俺だけど…ちょっと手伝ってほしくて…うん、昼飯?いいよ。行こうよ。おぅ。じゃぁ。」
ちょうど、昼飯時だし。
今朝は早くから動いたから腹が減った。
携帯と財布を確認して出ようとしたら、
「あれ?もう行く?」
「ん?あぁ、ちょっと、二課の奴と…」
「えっ!蕎麦は?」
そんなこと言ってたな…
「ごめん!また今度。」
右手でゴメンとやったら、相葉は
「二課って一つ先輩のあの人?」
「大野さんね。世話になってるからね。」
ジッーと俺の頭のなか、考えてることを見透かそうとしてるのか俺と目は合わずに眉間あたりを見てる。
何考えてんだか。
「じゃぁ!」
相葉からの視線を逃れて階段へ走った。
「よう!」
「どーも!」
「珍しいな。お前から連絡よこすなんて。」
「ちょっと、気になることあって…」
「へぇー。それで俺を思い出してくれてんだ!」
「はいはい、そういうことになりますかね。」
「相変わらず、つれねぇな…何食う?駅前の蕎麦屋旨いらしいけど?」
蕎麦か…
「蕎麦は…ゴメン!他のしない?」
相葉と行きたいな。なんて…
「じゃぁ、いつものとこ行くか…」
「ご馳走してね?」
「はぁ?なら牛丼だぞ!」
「えっー!お願い~」
「可愛いから奢る!」
「なんだ、そりゃ!!!」