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僕は君を連れてゆく

第29章 BB


報告書を書いて一課長へ提出した。

「ん。いいだろう。」

強面だけど信頼できる人だ。

「相葉との仕事はどうだ?」

「はい。それなりにやれてると思います。」

「そうか。アイツ、動物の勘みたいなので動くことがあるからな…」

確かに…

「でも、狙撃班も欲しいっていうくらい狙撃の腕はいいんだぞ?」

「そうなの?」

やべ…つい、いつもの癖でタメ口きいちゃったよ…

「フフ。ただ、優しすぎるからな…狙撃班には向いてないなぁ…」

「相葉にも報告書出すように言ってくれ。」

「はい。」

俺は敬礼して部屋を出た。

狙撃班。
もし、相葉の性格が少し違ったら…
一緒にバディを組むことはなかったのかもしれない。

「…」

俺のなかで相葉の存在は、大きな割合を占めているってことなのか…

自分の顔がサッーと赤くなったことがわかる。

「…なに、考えてんだよ…」

頭を振った。
仕事に集中だ。

「二宮くん、相葉くん見なかった?」

「いや、昼飯じゃないの?」

「にしても長くない?携帯でないんだよね…。頼まれたやつ持ってきたんだけど…」

「じゃあ、俺が渡しておくよ。」

「お願いね?ありがとう!」

何を調べさせたんだ?
俺はデスクに戻り、相葉が頼んだという資料を見てみた。
それは、二課がとった調書で、被害者の名前、家の住所、年齢、被害額。
被害者の家族背景。
被害にあったときの犯人の文言。
しゃべり方の特徴、現金の受け渡し方法が書いてあった。

「どれも自宅に取りに行ってるんだな…」

にしても、本当に一人暮らしの高齢者ばかり。
家族背景なんて、一般人がどうやって調べるんだ?

一軒、一軒回るのか?

誰かに調べさせるのか?

だれに?

俺は町の地図を開いて被害にあった家をチェックした。

規則性はなさそうだが、駅に近い家が多い。
これから、被害にあう家は?
あの、婆さんの家はここ…

「婆さんの家の辺りはまだ被害がでてないのか…」

ってことは次はこの周辺を狙うのか?

相葉は、何やってんだ?



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