僕は君を連れてゆく
第29章 BB
こんなに殴られたことはない。
顔が痛いし、痛みで意識が…
「鼻血でちゃった?白い肌に赤い血の色がそそるね…」
ヘラヘラ笑ってやがる。
ワイシャツの上から乳首を触られる。
「乳首はピンクだよね?見ちゃおうかな~」
バチバチとワイシャツのボタンを引きちぎられる。
肌着のTシャツの上からクニクニと乳首を弄られる。
「…っ…」
なんだか、ビリビリしてくる。
「あっ…」
なんだ、この声は!?
「まじかよ~感じちゃう?」
また、股間を撫でられる。
反応したくないのに、反応しているのがわかる。
「あっ、やめろ…」
鼻息が荒くなっていく。
気持ち悪い。
顔が近づいてくる。
俺はソイツに向かって唾を吐いた。
「っざけんなっ!気持ちわりぃ…」
「あんだよぉ!てめぇ!」
振り上げた拳が俺の右頬に入った。
相葉っ!
怖いっ!
目を閉じようとしたらドスンと音がした。
「誰だ?」
薄く目を開けたら、キャップを被った男が殴られ吹っ飛んでいた。
俺に股がっていたニット帽の男も立ち上がりまた、バットを手に持った。
「なんだよ、お前…」
バットを振りかざして向かっていく。
「おらぁ~!!」
相葉だ…
来てくれた…
バットを右腕で受け止め、そのまま、バットを掴んでいた手首を掴んだ。
「てめぇら、俺のニノに何してくれてんだ?」
低い声だった。
俺のニノ…
バットを振り落とすと右ストレートを腹にぶちこんだ。
ニット帽の男は口から血を出した。
キャップを被った男がフラフラと立ち上がり台所から包丁を取って相葉に近づいていく。
後ろ!
危ないっ!
「あぶないっ!」
ドスンと相葉にぶつかった。
「うっ…」
と、呻く声。
相葉…
そのまま、相葉はしゃがみバットを掴み振り回した。
振り回したら、包丁を持った男の脛に当たった。
カーンというイイ音がして男はうずくまった。
うずくまった男の頭に相葉は膝蹴りをくらわせとどめをさした。
そして、ずっと、手首を掴まれたままのニット帽の男。
すげぇ、握力だ。
フルフルと震える相葉の腕。
男の顔を持ち上げ、正面から頭突きをくらわした。
プシュ~という音が聞こえてきそうだ。
男はそのまま、伸びてしまった。