僕は君を連れてゆく
第29章 BB
「ちょっとぉ~!そこ!くっつきすぎっ!」
相葉が俺たちを指差して大声を出す!
「ハイハイ!相葉さんの二宮さんですもんね~」
「そうだよ!俺のニノちゃん♡」
へ…???
ズンズン歩いて俺の肩に腕を回す。
「ニノ、顔真っ赤じゃん!」
松本の指摘に頬を触る。
「こーいうしぐさが、本当に可愛いんですよね~」
ね~!と相葉とハイタッチしてる女子たち。
なんだか、頭がついていかない…
「何すんだよ!やめろ!ほら、仕事!仕事して!」
女子どもを席へ返す。
ニヤニヤ、クスクスが止まらないから俺は落ち着かなくて席を外すことにした。
立ち上がると
「ニノもトイレ?」
と、相葉。
「俺も行く~」と着いてくる。
松本がニヤニヤしながら、ウィンクしてきた。
相変わらず濃いな!
なにもないよ!
なんだよ!もう!
相葉は鼻唄をうたう。
今にもスキップしそう。
「ニノちゃん、今日、家に行ってもいい?」
「やだ!」
「なんで?久しぶりじゃーん!ね?」
「お前、なんなの?その能天気な感じは…」
トイレを通りすぎて喫煙所へ向かう。
ジロリと相葉を睨んでタバコを取り出して火を着けた。
一口吸うと少し、落ち着いた。
顔の赤みも引いたかな…
「本当に良かった。復帰出来て…」
急に真面目な顔で言う。
チラっと相葉を見ると、ニコっと笑う。
「ん。ありがと。」
「フフフ。顔、真っ赤。」
「うるさい!」
「何の話してたの?」
「え?」
「さっき、耳打ちなんかされちゃってさ…」
あれは…
相葉の…
別に…
なんでもないし…
「お前こそ、悪かったな!あんな、記事…」
「記事?」
「変な噂たっちゃったみたいだし…」
「でも…それでも近づいてくるやつ、いるだろ?」
「え?」
「俺のニノ、だろ?」