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僕は君を連れてゆく

第33章 白状しろっ!!!   from、BB

俺はニノとバディを組んでから、ニノにどんどん
惹かれていった。

冷静な判断と動じない神経。

犯人へ罪を認めさせるための取り調べもとても上手い。

大野先輩が“泣かせのおーの”なら
ニノは、“泣かされるにーの”だ。

ニノが取り調べするとだいたいの犯人は泣く。

それは、罪の意識から泣くというよりは
ニノが怖くて泣くんだけど。

ニノは可愛い顔してるくせに怒るととても怖い。
被害者の気持ちに寄り添うからこその
犯人に対する態度であることも俺にはわかっている。

そんなニノと晴れて恋人同士になって。

浮かれていたけど、残念なことに事件は毎日起きてしまって、なかなか二人で会う時間が取れない。

俺はそんな毎日に正直、不満が溜まっていた。

ニノと二人きりになりたい。


でも、こんなシチュエーションじゃなーーい。

二人きりの取調室♡
なんて、AVのタイトルにもなりそうなこの響き。

でも、考えてみれば俺が好きになるんだもん。

他の誰かがニノを好きになることだってあり得るんだ。

そんな誰かがニノにバレンタインデーに気持ちを込めたチョコレートをあげる。
それは、当たり前なんだけど…

でも、ニノは俺のニノだから。

「なんで、受け取ったんだよ…」

もう、なんだか、泣きそう。

ニノは俺のことどう思ってるの?

俺はニノと毎日、一緒にいたいんだよ。

はぁ…と、小さいため息が聞こえた。

呆れてるよね。

こんな嫉妬深い男、嫌だよね。

ニノは俺とニノの間にある小さい箱を手にとった。

「んっ!」

俺にそれを突きつけてきた。

「んって…ニノが貰ったんでしょ?」

「だから!違うって。んっ!」

俺の手にそれを乗せた。

「あなたによ…」



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