テキストサイズ

僕は君を連れてゆく

第33章 白状しろっ!!!   from、BB


“「あなたによ♡」”


え?

え?

俺に?!?!?

「お、俺にっ?」

ニノは真っ赤に染めた顔を腕で隠して頭を上下に動かしている。

金色のリボンでラッピングされた箱。

明らかに昨日のバレンタインデーを意識したもの。

ニノが
俺に
チョコレートを!!!

「なんで?」

「なんでって…バレンタインデーだからでしょうよ。」

腕から顔をだして、小さい声でしゃべるニノ。

「バレンタインデーに俺にチョコを?」

「何回、聞くのよ。そうだって言ってるじゃん。」

俺は手のひらに乗ってる箱とニノを交互に見る。

俺のためにニノがチョコレートを準備してくれたなんて。

「貰ったんじゃないの?」

「だから!何回聞くのよ。いらないなら返してよ。」

俺の手から奪おうとしたから、慌てて体をニノから離す。

「ダメ!ダメ!絶対にダメ!」

ニノはそんな俺を笑って見てる。

ニノ。

「なんで、俺にチョコくれるの?」

「そんなっ!だから、いらないなら返してよっ!」

立ち上がってるニノを座らせる。

「教えて?なんで、俺に?」

ニノの背後に回り抱き締め、耳ともで話しかける。

「ちょっ!やだ!」


そうだ。
この犯人は手強いんだ。

ちょっとやそっとじゃ、口を割らない。

ゆっくり、丁寧に時間をかけなきゃ。

「二人しかいないよ。教えて?なんで、俺に?」

ニノの顎の下で手のひらに乗せた箱をもう一度、
見る。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ