ガラスの靴がはけなくても
第7章 春の風
むしろ助けるどころか追い込んでくれるわけで。
さっさと、お会計を済ませて宏樹さんの腕を取り去っていった。
香織さんの薄情ものっ!
……そうなると、
「何してるんだ?行くぞ」
否応なしに部長と二人きりになるわけで。
「あっ、はい。……って部長車ですよね?」
「あぁ。送ってくよ。せっかく、あいつらが二人にしてくれたみたいだし?」
ですよね!?
部長も分かってましたよね!!
もう、私どうしたらいいんですか!?
「ホントになんなんですかねぇ~?まだ終電まで時間もありますので大丈夫です!」
深々と頭を下げ、くるりと体を反転させ……
「っと、あぶね…酔ってるだろうが」
ようとした、のに。
今は部長の胸の中。
頭ははっきりしてるけど、やっぱりワインの一気飲みが効いたのか足が絡まった結果がこう。
結局は自分でやらかしちゃうからもうどうしようもない。