ガラスの靴がはけなくても
第1章 眠れぬ夜
医務室で目覚める前に夢を見ていた。
彼の…悟の夢を。
夢と言っても今までの思い出で。
最終的に一方的に別れようと、気持ちがないと言われた。
…やっぱり夢の中でも私は何も言えずに、涙を堪えていた。
だけど、それが私達の付き合い方の全てだったような気がする。
我慢が何かも分からなくなっていた。
それが当たり前になりすぎて。
気がつけば私は話し出していた。
事実を認めたくないと思ってるのに。
だけど、
「私…フラれたんです」
本当は誰かに聞いて貰いたいのかもしれない。