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ガラスの靴がはけなくても

第1章 眠れぬ夜

好きだと離れたくないと、そう思ってる自分の中にある、最低な感情に気付いてた。

本当の私はそんなんじゃないのにってずっと思ってたから。
いくら取り繕ったところで、中身は変わらなくて。

本当はもっとこどもでワガママで甘えたがりで。だらしないとこだってある。

強がって我慢して。
悟といる時の私は悟の彼女っていう仮面をつけてた。

自分を苦しめる種を蒔いたのも自分だってことも分かってる。それなのに被害者ぶったことを思って。
その挙げ句、もうそんな自分を作らなくていいって、ホッとした気持ちまであった。

悟のためだと思っていたのは、悟のせいにしていたのと同じことで。
人のせいにしてどこかで自分を守る私は結局、自分が一番かわいい。

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