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ガラスの靴がはけなくても

第1章 眠れぬ夜


泣いてすがれない自分をひどく恨めしく思う。
十代の頃なら言えたセリフも今やちっぽけなプライドが邪魔をして口に出すことが出来ない。


『可愛くない』とよく言われた言葉が容姿を形容しているモノじゃないって分かってたはずなのに。

なのにやっぱり最後まで私は可愛くなることなんて出来なかった。



三年の間付き合ってきて私は何をしていたんだろう?

どうしたら幸せになれていたんだろう?


どこから間違っていたんだろう?



……そう思うことすらも間違いなのかもしれない。だって結局私は分かっていない。何がダメなのか何が原因なのか。




ならばこの結果は当たり前のことかと、手にした携帯を再び鞄にしまう。



グラグラする。


頭も体も、心も――…



「おい!?」



…――そう誰かの焦る声が、何処かに落ちて行く感覚と共に聞こえた様な気がした。



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