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ガラスの靴がはけなくても

第2章 キスの温度

いくら会社の上司であろうと男であることには変わりない。
部長が何であの時キスしたのか分からないけど、男だからそんな気分の時もあるのかと、勝手に意味の分からない解釈をした。

会社の女の子に手を出しただの食っただのと、下世話な噂が流れていた部長だから余計に。


私には混乱させられた行動だったけど、部長にとっての意味は違うに決まってる。

その意味を部長本人じゃない私がいくら考えたって、当たり前に答えは出なかった。



それにあの時はほら、考える暇もなくあぁなってたし。
流れ的なものにそのまま身を任せてたところもあるし?ね?うん。


でも、今はあの時よりも冷静で。
冷静さ故に動揺もハンパなくて。




「ふーじーのー?」




…………出来ることなら今気を失ってしまいたい。



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