夢現、
第1章 夢でもいいから
(`・З・´o[side ⓢ]o
ニノが作る優しい静寂が嬉しくて、
気が緩んだのか知らず弱音が漏れてしまった。
おまけに寝言まで聞かれて、
人に迷惑をかけて。心配させてしまって。
情けねぇなぁ、そう思いながら
唇を噛むと、思わぬ言葉が続いた。
N「さっき見た時に思いましたけど、
収録終わって帰ってきてからずっと
それと四つに組んで格闘してたんでしょう?
大事なところに付箋貼って、DVD何度も巻き戻して観て」
こんな時のニノの慧眼には驚嘆するばかりだ。
あの一瞬でそんなに細かいところまで
見ていたなんて、にわかに信じられない。
思わず視線をニノに向けると、彼は
その目を伏せて何か言葉を選ぶように
軽く俯いている。宙に彷徨う言葉を
引き寄せるように、テーブルに置いた
指が微かに動く。
そして俯いた頭を上げて、何かを確かめるように
俺の目を見た。
N「だから、大丈夫ですよ。」
見詰め合って数秒の後、ぽつりと、けれど
しっかりと重みのある言葉が響いた。
いつもなら茶化したり毒舌吐いたりするのに、
こんなことを言うニノは珍しい。
だからこそ、俺の中にその一言が
ずっしりと確かに落ちてきた。
ニノはこう見えて、とても言葉を
大事にする人だ。
キャスターの仕事に携わらせてもらっているのも
あるし、俺も嵐の楽曲でRAPを
書くことがあるからわかるんだ。
ニノは饒舌なんだけど、
言葉を紡ぐまでのその僅かな時間で、
ちゃんとその場その時に
一番ぴったりくる言葉を選んでる。
たぶん、今だってそうだったんだろう。
今目の前にいる俺にとって、
一番ぴったりな言葉を選んでくれた。
アドバイスでもなく、
いやに陽気な激励でもなく。
ただ一言。
「大丈夫」って。
口元が緩んだ。
『ありがとう』
照れ臭くて、嬉しくて、色んな感情が
混ざって、けれど一番伝えなきゃいけない思いを
その五文字に込めた。
N「はい。どういたしまして」
そんな短い返答がまた優しくて、
どちらからともなく笑った。
ニノが作る優しい静寂が嬉しくて、
気が緩んだのか知らず弱音が漏れてしまった。
おまけに寝言まで聞かれて、
人に迷惑をかけて。心配させてしまって。
情けねぇなぁ、そう思いながら
唇を噛むと、思わぬ言葉が続いた。
N「さっき見た時に思いましたけど、
収録終わって帰ってきてからずっと
それと四つに組んで格闘してたんでしょう?
大事なところに付箋貼って、DVD何度も巻き戻して観て」
こんな時のニノの慧眼には驚嘆するばかりだ。
あの一瞬でそんなに細かいところまで
見ていたなんて、にわかに信じられない。
思わず視線をニノに向けると、彼は
その目を伏せて何か言葉を選ぶように
軽く俯いている。宙に彷徨う言葉を
引き寄せるように、テーブルに置いた
指が微かに動く。
そして俯いた頭を上げて、何かを確かめるように
俺の目を見た。
N「だから、大丈夫ですよ。」
見詰め合って数秒の後、ぽつりと、けれど
しっかりと重みのある言葉が響いた。
いつもなら茶化したり毒舌吐いたりするのに、
こんなことを言うニノは珍しい。
だからこそ、俺の中にその一言が
ずっしりと確かに落ちてきた。
ニノはこう見えて、とても言葉を
大事にする人だ。
キャスターの仕事に携わらせてもらっているのも
あるし、俺も嵐の楽曲でRAPを
書くことがあるからわかるんだ。
ニノは饒舌なんだけど、
言葉を紡ぐまでのその僅かな時間で、
ちゃんとその場その時に
一番ぴったりくる言葉を選んでる。
たぶん、今だってそうだったんだろう。
今目の前にいる俺にとって、
一番ぴったりな言葉を選んでくれた。
アドバイスでもなく、
いやに陽気な激励でもなく。
ただ一言。
「大丈夫」って。
口元が緩んだ。
『ありがとう』
照れ臭くて、嬉しくて、色んな感情が
混ざって、けれど一番伝えなきゃいけない思いを
その五文字に込めた。
N「はい。どういたしまして」
そんな短い返答がまた優しくて、
どちらからともなく笑った。