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夢現、

第1章 夢でもいいから

(`・З・´o[side ⓢ]o



N「…まったく、こんな夜中に男2人で
何やってるんですかね。」

『いや、ホントな。なんかごめんね』

真面目な話が一息つき、ニノは照れ隠しのように
目を逸らして深い息を吐いてから
またちらりとこちらを見た。

N「まぁいいんですけど。それはそうと、
全然関係ないこと言ってもいいですか?」

何だろう、と思って
不思議な気持ちのまま頷くと、
ふいにニノの白い手が伸びてきた。

ふ、と俺の頬に冷たい指が触れる。

N「さっきからずーっと気になってたんです、
ミートソース付いたまんまですから、翔さん」


!!!

あのがさつな食べ方がここに来て災いした。
さっきから、ってことは何?
あの、真面目にZEROの話してた時から
俺はずっとミートソース付けた
間抜けヅラだった訳…?

N「ま、さっきの真面目なお話と
このソースが付いたお顔のミスマッチさが
翔さんらしいな、と思って聞いてたんですけど…」

やっぱり。
この場から消えたいくらい恥ずかしい。
穴があったら入りたい。

たぶん顔にも動揺が出たのだろう。
ニノが俺の頬を撫でながらくつくつと笑っている。
さぞミートソースと紅潮した頬のコラボなんて
可笑しいことこの上ない。相変わらず消えたい。

N「…そんなんだから、こうしたくなる。」

ふと笑みを収めて、そう呟くと
ガタリと音を立ててニノが椅子から立ち上がった。
俺の視界から、一瞬ニノの顔が消える。

ぐい、と肩に強い力が掛けられたのを
感じた刹那、ニノの唇が
俺の頬を食んだ。
机越しに身を乗り出して、肩を捕えられていた。
子犬が牙を剥いた瞬間だった。

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