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夢現、

第1章 夢でもいいから

(.゚ー゚o[side ⓝ]o

『その様子じゃ、収録終わって帰るなり
ZEROの特集の下調べでもしてたんでしょ。
んで、いつの間にか寝落ちちゃって。
カナヅチな翔さんは
海でお亡くなりになるっていう
悪夢を見た、そんなとこですかね』

ローテーブルに積まれた雑誌やDVDの数々、
それから額にうっすら滲んだ汗、
ソファの革を目一杯握る拳から
そんな憶測を立てて喋ってみたら、
まぁ、あながち間違いでもなかったようで。
きょとんとした目で私を見つめる翔さん。
「えぇ…」なんて声にならない声を漏らしている。

『今、エスパーかよ、って思いました?』

そうしてカマをかけてみると、
それも案の定だったようで。
驚愕のあまりか瞬きの回数が
激減している翔さん。
ふと可笑しさが込み上げてしまう。

『分かりますよ、翔さん顔に書いてますから。
“怖い夢見た〜どうしよう“、って。』

込み上げてくる可笑しさを押し殺そうとするも
やっぱり笑みは抑えられない。
すると降参したのか、

S「おみそれしました」

なんて眉尻を下げて言う。

年上にこんなこと
言うもんじゃないのかもしれませんけど、
今の翔さん、猛烈に可愛いな。

『んふ、結構。私夜食作りますけど、翔さんも
要ります?それとも、悪夢の後なら食欲なんてないか

S「是非ご馳走になります」

意地悪を連ねようとすると思わぬところで遮られた。
…こんな時でも翔さんの胃袋は
健康そのものなんですね。まぁ、元気そうで
何よりですけどね。

その拍子に冷蔵庫がピーピーと音を立て始めた。
恐らく翔さんの様子を見に行った時から
半開きの状態だったのでしょうね。

冷蔵庫を覗くと、この前Jが作ってくれた
煮込みハンバーグがけっこう余ってる。

さて、ここはニノさんの腕前の見せ所ですよ。

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