夢現、
第1章 夢でもいいから
(`・З・´o[side ⓢ]o
『…今度さ、ZEROで環境問題を扱う期間があるんだよね。それで、俺の担当が水質汚染とか、海の生き物とかの問題でさ』
正直、自分にできるかどうかわからないテーマだった。
仕事の合間に、ネットニュースや新聞で
見聞きしたことはあったけど、自分がそのことについて
喋る以上は、そこだけの生半可な知識ではいけない。
一応本業はアイドルだけど、ZEROの場では
俺は一報道人になる。ファンだけじゃなくて、
年齢も性別も幅広く、たくさんの人が見る番組。
『…それで、勉強しなきゃ駄目だなぁと思って。
けどどこから手をつけていいのかわかんなくて、
とりあえず目についた雑誌とか、
ディレクターさんが持ってた映像資料とかで
勉強しようと思ってさぁ…』
喋っていて、語尾が弱気になっていくのが
自分で分かった。
資料を見ていて、内容は理解できても
本当の意味で自分の中に知識を落とし込めているか、
この壮大なテーマをカメラを通して視聴者に
伝えるだけの力量が自分にはあるのか、
そんな焦燥と不安が自分の中に広がっていた。
そうこうしているうちに目が疲れて、
嘆息と共に少しソファに深く腰掛けて、
頭をもたせ掛けたのが最後の記憶。ふわりと意識が飛んだ。
『…気づいたら海の底にいてさ。すんげー綺麗なの。
あの雑誌にあるみたいな、ターゴイズブルーの海でさ。』
N「私達も行きましたね、デビューの時と15周年の時。」
『そうそう、あん時もめっちゃ綺麗だったよね』
ニノがグラスににミネラルウォーターを
注ぎながら、静かに相槌を打ってくれるのが心地いい。
差し出されたグラスを受け取りながら語を継ぐ。
『そのすんげー綺麗な海の底に
酸素ボンベもゴーグルも無しに座ってんの。
こっからもう既に可笑しいんだけどさ、
息とか全然苦しくなかったんだよね。
うわーめっちゃいいなーここ、綺麗だなーとか
思ったら、ふとした拍子に水が
ごっぼぉ!って口ん中入ってきちゃって』
そこで一旦口の中をミネラルウォーターで潤す。
ニノは相変わらず落ち着いた表情で、
黙って俺の話を聞いてくれていた。
ふと思ったけど、ニノ眠くないのかな?
俺はさっき(悪夢を見つつも)少し居眠りしたから
元気なんだけど…。
そう思った拍子に、リビングの時計が
ポーンと音を立てて夜中の3時を示した。
『…今度さ、ZEROで環境問題を扱う期間があるんだよね。それで、俺の担当が水質汚染とか、海の生き物とかの問題でさ』
正直、自分にできるかどうかわからないテーマだった。
仕事の合間に、ネットニュースや新聞で
見聞きしたことはあったけど、自分がそのことについて
喋る以上は、そこだけの生半可な知識ではいけない。
一応本業はアイドルだけど、ZEROの場では
俺は一報道人になる。ファンだけじゃなくて、
年齢も性別も幅広く、たくさんの人が見る番組。
『…それで、勉強しなきゃ駄目だなぁと思って。
けどどこから手をつけていいのかわかんなくて、
とりあえず目についた雑誌とか、
ディレクターさんが持ってた映像資料とかで
勉強しようと思ってさぁ…』
喋っていて、語尾が弱気になっていくのが
自分で分かった。
資料を見ていて、内容は理解できても
本当の意味で自分の中に知識を落とし込めているか、
この壮大なテーマをカメラを通して視聴者に
伝えるだけの力量が自分にはあるのか、
そんな焦燥と不安が自分の中に広がっていた。
そうこうしているうちに目が疲れて、
嘆息と共に少しソファに深く腰掛けて、
頭をもたせ掛けたのが最後の記憶。ふわりと意識が飛んだ。
『…気づいたら海の底にいてさ。すんげー綺麗なの。
あの雑誌にあるみたいな、ターゴイズブルーの海でさ。』
N「私達も行きましたね、デビューの時と15周年の時。」
『そうそう、あん時もめっちゃ綺麗だったよね』
ニノがグラスににミネラルウォーターを
注ぎながら、静かに相槌を打ってくれるのが心地いい。
差し出されたグラスを受け取りながら語を継ぐ。
『そのすんげー綺麗な海の底に
酸素ボンベもゴーグルも無しに座ってんの。
こっからもう既に可笑しいんだけどさ、
息とか全然苦しくなかったんだよね。
うわーめっちゃいいなーここ、綺麗だなーとか
思ったら、ふとした拍子に水が
ごっぼぉ!って口ん中入ってきちゃって』
そこで一旦口の中をミネラルウォーターで潤す。
ニノは相変わらず落ち着いた表情で、
黙って俺の話を聞いてくれていた。
ふと思ったけど、ニノ眠くないのかな?
俺はさっき(悪夢を見つつも)少し居眠りしたから
元気なんだけど…。
そう思った拍子に、リビングの時計が
ポーンと音を立てて夜中の3時を示した。