半社会人(仲村慶彦の憂鬱な日々社会人編)
第47章 プロテスト当日
インターバルの間、オレは弾丸にアドバイスなんか出来ない。
「やれるのか、おいっ!」
「ヨッシーそれしかないのかよww」
弾丸はオレの事をヨッシーと呼ぶ。
最初は「仲村さん」と呼んでいたが、オレはタメ口で構わないから呼び名もテキトーに呼んでくれと言った為、ヨッシーと呼ばれるようになった。
「ケースケ君、仲村さんの言葉で笑えるようになりましたね。大丈夫、今のままでリラックスできれば合格しますよ」
ストライカーは弾丸がプロテストに合格したと確信したようだ。
ブザーが鳴り、2ラウンドのゴングが鳴った。
弾丸はフットワークで相手を翻弄し、小刻みにパンチを連打した。
「いいぞ、その調子だ!」
ストライカーは弾丸のボクシングセンスを絶賛していた。
「相手の選手がサウスポーで良かったですね。仲村さんとスパーリングを何度もしてたからサウスポー対策はバッチリです」
オレはサウスポースタイルだったから弾丸とのスパーリングでかなり役に立ったのだろうか。