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半社会人(仲村慶彦の憂鬱な日々社会人編)

第53章 本当に付き合ってんのか?

社長の息子ってことは単なるバカ息子ってヤツじゃないのか?

「仲村君、特に貴方は野村さんに目をかけてもらってるみたいだけど、あの人に関わるのは良くないと思うな…」

そりゃオレは別に野村と関わるつもりはないんだが、野村がオレに関わろうとしてるから困るんだよ。

「初めて聞きましたよ、野村さんの過去を」

この会社には勤めて3年経つがこんなこと聞くのはホントに初めてだった。

あまりにも社内の事を疎すぎたせいなのだろうか。

…オレは3年もいて仕事が出来ないのは野村のせいか?
いや、オレの要領の悪さだろうな。

「あの、自分は正直なとこ、会社での野村さんの事はどうでもよくて、問題なのはオレの妹が野村さんと付き合ってるって事が重要なワケで…」

「んー、妹さんには聞いてないんでしょ?だったら一度聞いてみたらどうかな?野村さんが勝手に彼女だと思い込んでるかもしれないし…」

聞くしかないのか。

お前、オレの上司と付き合ってるのか?って。

めんどくせーな、こりゃ。

「そうだ、仲村君と一緒にユースケさん達の結婚パーティーに来た友達っていつデビューするの?」

沙織が話を変えてきた。

「えっ、あぁ確か二週間後に試合のはずです」

「私さぁ、ケッコープロレスとか格闘技好きなんだよねぇ。その試合仲村君も観に行くんでしょ?私も行っていいかな?」

「マジすか?そりゃ勿論来て下さい。場合によってはオレがセコンドに付くかもしれませんが」




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