半社会人(仲村慶彦の憂鬱な日々社会人編)
第53章 本当に付き合ってんのか?
「ウソっ?仲村君セコンドに付くの?」
「いや、もしかしたらの話ですけどね。でも出来ればセコンドに付いて応援したいぐらいですよ」
弾丸のデビュー戦にセコンドに付くのはストライカーだが、オレもセコンドに付く可能性はある。
まぁジムの人が何と言うか解らないけど。
「やっぱりボクシングの話になると目がキラキラしてるね。いいなぁ夢中になるものがあって…」
そうかな、そんなにイキイキしてるのかオレは。
「高橋さんは何か夢中になる事はないんですか?」
「うーん、学生の頃はソフトボールに夢中だったけどね。今は特にする事もないし、休みの日なんかずっと家に引きこもっちゃってさぁ。何か億劫なんだよね」
「そうですか。そう言えば高橋さんて彼氏とデートとかしないんですか?」
「それ聞く?いないからこうやって仲村君と飲んでるんじゃないww」
「あ、すいません…」
「仲村君こそボクシングばっかで彼女とか作らないの?」
聞くな、それを!
彼女いない歴=年齢なんだからっ!
「まぁ何と言いますか…その、はい、いないです」
「アタシより仲村君の方が心配だよ~wいつになったら彼女作るんだ、おいw」
「そうすね…はい」
沙織は美人だからすぐに彼氏なんて出来るだろうが、オレはまぁその童貞だしな。
そんな色気もない話をして時間は過ぎて行った。
オレは沙織と別れて帰りの電車の中で亜美にメールをした。
【明日空いてるか?もし空いてるならたまには飲もう】
すぐに亜美からの返事がきた。
【いいよ~、その代わりアニキのオゴリでね(笑)】
どうやら空いてるみたいだ。
ホントにあのオヤジと付き合ってんのかなぁ。
マジで付き合ってるなら…別れろと言おう!