半社会人(仲村慶彦の憂鬱な日々社会人編)
第55章 ウゼーヤツ
亜美はその場に座り込んでしまった。
「ほら、起きろ!あとちょっとで着くから、ほら起きた起きた」
「だーめ~、むーりー」
ったく誰に似たんだこの酒癖の悪さは!
ああ、もう仕方ない!
「ほら、肩に乗れ!行くぞ」
「は~い、乗りまぁす」
亜美をおぶって部屋までたどり着いた。
コイツと飲むのは止めよう!
こっちが大変だ!
亜美をおぶさったままドアの鍵を探した。
なかなか出てこない、どこに入れたんだっけか。
「早く開けろよアニキ~、しっかりしてよねぇホントに…」
あった。オレは鍵を開け亜美をベッドに寝かしつけた。
「おやすみ~…(。-ω-)zzz」
もうイビキかいてやがる。
オレはまだ一杯飲んでそれから寝よっと。
ーーーーーまたソファーで寝るのか…ーーーーーー
ギシギシして寝ごごち悪い。
でも早く寝よう。
「…ニキ、アニキったら。朝だよ朝!」
亜美の声で目が覚めた。
「おはよ。また二日酔いで休むのか?」
亜美は昨日の酒が残ってるみたいだ。
「あーたまが痛い…もう無理っ有給使って休む~」
「帰る時に鍵を郵便受けの中に置いておけよ。じゃ行ってくんぞ、ちゃんと寝てろよ、おいっ」
そう言って部屋を出た。
誰に似たんだ、あの酒癖の悪さは。
寝不足のまま、会社へと向かった。