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半社会人(仲村慶彦の憂鬱な日々社会人編)

第56章 みっともない!


「仕事しねえクセに次期社長とかいうテメーに言ってんだよ、性病ヤローが!」

野村がキレた!

「誰に向かってそんな口叩いてんだ、このくそがキがっ!」

野村が拳を振り回すが、こんなド素人のパンチがオレに当たるはずがない。

「どうしました、パイセン?全く当たりませんよ、そんなハエの止まるようなパンチじゃwww」

あれ?いつの間にかケンカになってんのか、コレ?

でもオレが野村を殴ったら大変な事になるしな…しかもボクシングやってたなんてバレたら傷害罪でパクられるかもな…

どうしよう?

「この童貞が、ぶっ殺す!」

童貞、童貞うるせーよ、このバカが!

オレはただ野村のパンチをのらりくらりとかわしていた。

「全く当たんないすよ、オジサン。いい年こいて若い女に夢中になってみっともないね~ww」

…余計挑発してないか、コレ?
こりゃどうやって終わらせりゃいいんかな?
マズイ、マズイぞこれは…

すると野村の背後から沙織が履いていたヒールでパカーンと頭を叩いた。

「い"で~っ!!」

「全く、みっともない!こんな場所でケンカなんて恥ずかしくないの?!」

沙織に一喝され、野村は頭を抱えながらそそくさと逃げるように消えた。

何だが解らんが助かったのか、これは?

「アッハハハハ、何あのオヤジ!チョー笑えるwww」

沙織が野村の後ろ姿を見て爆笑していた。

「さぁ、仕事しよ!」

何事もなかったかのように沙織は仕事に取りかかった。

…カッコいい!

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