半社会人(仲村慶彦の憂鬱な日々社会人編)
第30章 沙織と飲みに行く
「仲村君」
「はい」
「仲村君はタバコ吸わないの?」
「いえ、タバコは吸わないです」
「あ、そうなんだ?ごめんね、勝手に吸っちゃって。てっきり吸うもんだと思ってたからつい」
「あ、大丈夫です。問題ないですから…」
オレはこのギクシャクしたやり取りが苦手だ…
何でこうも女と話が出来ないんだろ…
ある種の罰ゲームみたなもんだ。
「仲村君、さっきからおとなしいけど、アタシの飲むのイヤ?それなら帰ってもいいよ。無理矢理誘ってゴメンね」
「あ、あぁいや、そんな事ないっす。あの、あんまり女の人と話す事ないもんで…」
「へぇー、彼女とかいないの?」
「は、はぁまぁ」
「そっか。ゴメンね変な事聞いて」
「いや、大丈夫っす」
こんなやり取りをしながら時間が過ぎていく。