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半社会人(仲村慶彦の憂鬱な日々社会人編)

第31章 ちょっと付き合って

「仲村君はさぁ、普段は何してんの?」

2杯目のジョッキをグイッと飲みながら沙織は聞いてきた。

「普段ですか…そう言えば何だろ。特にこれといったこともせずにただゴロゴロしてるだけっすかね…」

改まって言われるとこれといった趣味はない。

ただSNSでチャットして1日が過ぎていくようなつまらない日々を送っている。

「彼女とかいないの?」

「いや、む、無理っす。こんなんだから彼女なんか出来ないっす」

「仲村君ておとなしいよね。あんまり人と喋ったの見たことないし」

「そ、そうですか。すいません」

「仲村君」

「はい…」

「オドオドしないの!そういう風にするから彼女が出来ないんじゃないの?違う?」

また説教かよ。

ったく、これじゃ姉ちゃんに叱られてる弟みたいじゃねぇか。

「そうだ、ここ出たら付き合って欲しい場所があるんだけど、いいかな?」

付き合って欲しい場所?
…もしや、イケナイ場所で…
初体験の相手は沙織か。

まぁ、ギャーギャーうるせえけど美人だし、スタイル良いもんな。
相手にとって不足はない!

ワハハハハハハ!

そうかそうか、初めての相手が沙織か。

「ねえ、聞いてんの?仲村君!」

「あ、はい。あの、よろしくお願いします…」

「はぁ?」

「えっ?」

「何、よろしくお願いしますってwww」

「あ、いや…何でもないです」

「よし、じゃ行こうか」

そう言うと沙織は立ち上がり、ジョッキの中を一気に飲んで空にした。

「ほら、行くよー」

「はい」

カウンターに沙織が歩くと皆振り返る程の美人だ。

こんな美人と初体験でいいのかなぁ…www

やべっ、勃ってきた。

悟られないように前屈みで歩いた。

「どうしたの?お腹の具合でも悪いの?」

沙織がオレの姿勢を見て、腹の具合が悪いと勘違いしている。

「いや、大丈夫す。行きましょう」

って何処まで行くんだ?

オレたちは繁華街をしばらく歩いた。

アレだよな。やっぱ行くとなったらラブホだよな。

でもこの辺りにラブホなんてあったっけ…?

あるのはボーリング場とバッティングセンターだぞ。

「よし、入ろ」

えぇ~、バッティングセンター?
マジかよ、これから球打つのかよっ!

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