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半社会人(仲村慶彦の憂鬱な日々社会人編)

第4章 声がデカいよ

「そ、それじゃオレたち童貞の集まりを祝して…乾杯…」

「ジョニー、何言ってるかわかんないよ、もっと大きな声で言おうよ」

ナニ?弾丸、お前童貞なんて大きな声で言ってみろ!

オレら一発で童貞の集まりだと思われるじゃないかっ!

オレはそんな事、大きな声で言えん!無理だっ!

「もう一回言おうよジョニー」

泡沫まで言うか!

しかもデカイ声でジョニーとか言うんじゃない!

恥ずかしいじゃないかっ!

…何でオレはこんなヤツラと居酒屋で飲まなきゃならんのだ!

しかも半数はアルコール苦手だと言うし!

何なんだ一体!

「いや、待て。ここはオレより年長のストライカーが乾杯の音頭をとった方がいい」

そうだそうだ、このオヤジが年長者だから乾杯の音頭をとるべきだ、ワハハハハハ!

「い、いや、私、皆さんと年齢は大して変わらないですよ」

ナニ?ストライカーまだ若いのか?

「ウソっ!」
「マジで?」
「で、何歳?」

オレたちは一斉にストライカーに聞いた。

「え、えっと私、32才です…」

そうか32才か…

32?!!

ウソだろ、50近いツラしてるじゃねぇかっ!

「皆さんは何才ですか?」

「オレは25才」

オレは正直に答えた。

「オレ、23」

弾丸はオレより2才下か。

「オレは言わない。だってお互いの事を詮索しないのが約束じゃん」

この泡沫、コイツ何かムカつく!
何か理屈っぽい!
あぁ~、出来れば殴りたい!!

だからテメーは童貞なんだ!

しかし、そんな事は言えるはずもなく…

「あぁ~そうだったな。んじゃいいよ言わなくて。
んで最年長のストライカーが乾杯の音頭をとろう、そうしよう」

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