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半社会人(仲村慶彦の憂鬱な日々社会人編)

第33章 都合良く使うな!

オレはバッティングセンターで沙織と別れ家に着いた。

打ちまくったせいか、手に力が入らない。

運動不足だな、こりゃ。

今日はこのまま寝よう。

するとスマホから着信音が鳴った。
沙織だ。

「はい、もしもし」

【あ、仲村君?今日は付き合ってくれてありがとね。ホームラン打つなんて思わなかったよ】

「あ、ありがとうございます」

【また行こうね、それじゃおやすみ~】

「はい、おやすみなさい」

あっけない会話だな、ホントに。

もう少し気の利いた事が言えないのかオレは…
でも、あのホームランはよく打てたな。
もしかして沙織の言うとおり、持ってる男なのかオレは。

…んなワケないかwww
たまたまだよ、たまたま!

あ、そう言えば沙織とどのくらい一緒にいたんだろ。
いつもなら持病のコミュ障でろくに話せないのに、今日はかなり話したような気がする。

克服できるのかも…

まぁとにかく寝よ…



ーーーーーー翌朝オレはいつものように出勤した。

あ、沙織だ。
「あ、おはよう仲村君。昨日はありがとう。また行こうぜwww」

「は、はい、おはようございます。解りました」

何だあの笑顔は…
っ、もしやオレに気があるのか?
いや、ないなそれは。

あまり期待を膨らませて、後で恥かくのもイヤだしな。

とはいえ、意識しちゃうよなぁ。

…ん?沙織が何か言ってるな。
何だろ。
ありゃ、野村と何か言い合いしてるな。

「だからもう、仲村君を連れ回さないでください!野村さんのオモチャじゃないんですから」

「誰もオモチャになんかしてねえだろ、相変わらずカタイなオマエは」

「カタイとかじゃなく、ここは会社です!野村さんの遊びに彼を振り回さないで下さい!」

「わあったよ、ったく」


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