半社会人(仲村慶彦の憂鬱な日々社会人編)
第44章 キツい!
「こちらこそヨロシクお願いします。ジョニーさんは初心者だからまずは基礎体力からのスタートになります」
「ストライカー…その、ジョニーってのカッコわりぃから仲村でいいよ…」
「解りました。では仲村さん、まずは着替えて柔軟体操から始めましょう」
「はい、コーチヨロシクお願いします」
オレはネクタイを外し、トレーニング用のジャージに着替えた。
「ではまず、ストレッチを行いましょう。これを怠るとケガをする危険性があります」
そして屈伸から前屈とストレッチだけでかなりの時間を費やした。
「イテッ、イタタタ、イテーっ!」
オレは身体が硬い。
だからストレッチは拷問に感じる。
「大分硬いですね、身体が。でも徐々に柔らかくなっていきますよ。次は腕立て伏せをやりましょう」
腕立て?
オレは自慢じゃないが腕立て伏せなんて20回もいかないぞ!
「はい、いーち、にー、はいっさーん、よーん、まだですよ、はい、ごー」
ダメだ!キツい!
腕がプルプル震えてきた!
結局何回やったか解らんが腕立て伏せは終わった。
スゲー汗だ!
ちょっとしか動いてないのに身体中から滝の様に汗が流れ出た。
「次は腹筋やりまーす。準備はいいですか?」
「ハァハァ…はぃ」
「じゃ膝を押さえますから起き上がって下さい。はい、いーち、にー、さーん」
ストライカーが膝に股がり押さえている。
く、苦しい…
腹筋が…なんて運動不足なんだオレは。
き、キツい!
起き上がれなぃ…
「まだまだ、はい、次ぃ!」
し、死ぬ…!
これまだ基礎体力の段階だよな?
どんだけ基礎体力が無いんだ、オレは…?
もう、ダメ…
「仲村さん、まだまだ続きますよ、はい立って」
涼しい顔してストライカーはオレに立てと言ってきやがる。
クソッ、イタタタ膝が、膝が笑ってる。
「ドンドン行きましょう、次スクワットやりまーす」
キ、キツすぎるっ!!