半社会人(仲村慶彦の憂鬱な日々社会人編)
第45章 き、筋肉痛だ…
声を掛けたのは同期の吉田だ。
「いや、ちょっと。そういや子供は元気か?」
吉田は既に結婚して2才の女の子を持つ父親だ。
オレとタメなのにもう所帯持ちとは。
それに引き換え、オレはいまだに…
あぁ、何て差だ!片や父親で片や童貞!
「あぁ、相変わらず元気だよ。たまには家に遊びに来いよ」
「あぁ、解った。んじゃまた」
吉田はいいよなぁ、幸せな家庭を築き、帰ればお帰りなさい、と言ってくれる家族がいて。
結婚かぁ。ストライカーも結婚したし、オレの周りはこうやって徐々に所帯を持つようになるんだろうな…
あぁ、それにしても痛ぇ!
しばらくは筋肉痛との戦いだな。
「お疲れ、今日はちょっと飲みに行かない?」
帰り際、沙織に誘われた。
どうしようかな。ジムに行こうとしたけど。
こんな筋肉痛じゃとてもトレーニングなんか出来ん!
しかし、今日はストライカーがジムに来てる日だからな…
「すいません、今日ちょっとこれから用事があるもんで…申し訳ないです」
オレはジムに行く事にした。
「そう、残念ね。っていうかさぁ、仲村君最近アタシの事避けてない?何かそう感じるんだけど…」
はぁ?避けてる?
オレはジムに行くんだよ。バッキバキのバディになるためにトレーニングに行くんだ!
「そんな事ないですよ。高橋さんの勘違いですって。じゃ、お疲れ様です」
そう言ってジムに向かった。
ジムでは今日もストライカーの指示の下、基礎体力のトレーニングをした。
「イタタタ、痛っ!イッテ~っ!!」
「仲村さん、ちゃんとストレッチやらないとケガしますよ」
「もうダメ…これ以上曲がらない」
ホントにオレは身体が硬い。
まだ25だというのに、年寄り並の体力なのが悲しい…
「今日はちょっとサンドバッグを叩いてみましょうか?」
おっ、今日はパンチの練習か。
いいねえ、いいねえ。
「じゃ思いきっり打ってみて下さい」