半社会人(仲村慶彦の憂鬱な日々社会人編)
第45章 き、筋肉痛だ…
よぅし。オレは全力でサンドバッグをぶっ叩いた。
「ハァハァ、なんだこりゃ。全然サンドバッグが揺れない。パンチ力無いのかオレは…」
一心不乱にサンドバッグを叩いたが、オレのパンチじゃサンドバッグはあまり揺れない。
「もっと全体重をパンチに乗せて。腰の回転で素早く打ったら同時に素早く引く。パンチは腕力じゃなく瞬発力です」
成る程、打ったら素早く引くのか。
よし、これならどうだ!
バフッ!
「もう少し早く!大振りにならないように小さく構えて素早く打つ!」
ストライカーも熱のこもった口調でオレに指示を出す。
うぉぉ~、これならどうだっ!
バスバスバスッ!
「うん、中々良くなってきました。これをひたすら打ち続けて下さい。私は他の選手のミット打ちを見てますから」
そう言ってストライカーはミットをはめ、選手に教えていた。
今日はサンドバッグを打ちまくるだけか。
昨日よりはマシだが、段々と手が痛くなってきた。
「はいっ、そこまで!仲村さん次縄跳びやってみましょう」
おっ、ボクサーがよくやるあの縄跳びだなっ。
どれ、オレは縄跳びを始めた。
あり?何だ、上手く跳べないぞ?
もう一回、ありゃ?すぐに足に引っ掛かるな。
「仲村さん、最初はゆっくり跳んでみてください」
ゆ、ゆっくりか?
そうかゆっくりだな!
うん、何とか跳べた。
「わたしがいいって言うまで続けてください」
「はいっ」
こりゃフットワークを鍛える為の練習か。
しかしこれもかなりキツいな…
もう息が上がってきた。
あ~苦しい!何でこんなことやってんだ、オレは?
そして今日も筋肉痛でようやく家にたどり着いた…