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ナイト・ナイト・スウィート・ドリームス

第1章 むかしのはなし(※)

そこは殺風景で真っ白な部屋だった。
部屋につくとすぐ男はシャツを脱ぐ。

「先にお風呂入って。僕の服だけどカゴの中に入ってるからそれに着替えてください」


お風呂はバラの優しい匂いがした。
久しぶりにこんなにまともにお風呂に入れた。
傷が痛むけど、ゆっくり湯船に浸かった。


脱衣所のカゴには、男物のTシャツと、新品の女物の下着があった。
家にストックしてあるということは、ずっとこんなようなことしてるんだなと考えた。


ひっかかる女も女だ。

あの男、顔はいいから上手いこと言って私ぐらいの女の子とセックスしてるんだろうな。
そう考えると今からする行為が急に作業のように思えてきて嫌になった。

私と交代に男もお風呂に入った。
その間私はテレビを見ていた。

何も知らない芸能人たちの恋愛ドラマがやっていた。
これから私、知らない男の人とエッチするんだよ。
そう純粋なテレビに語りかけているとなんだかバカバカしくなった。

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