君が桜のころ
第1章 雛祭り
綾佳は頬を桜色に染め、震える手でそっと唇を抑えた。
車に乗り込んだ凪子と窓硝子越しに目が合う。
「…お義姉様…」
まだ夢心地な綾佳に、凪子は嫣然と微笑み、優雅な動作で投げキスを寄越した。
車が滑らかに動き出し、車寄せから離れてゆく。
綾佳は思わず数歩、歩き出した。
綾佳が追いかけるのかと思ったスミが慌てて、声をかける。
「お嬢様…?」
後部の窓硝子にこちらを振り返り、綾佳を見つめる凪子が映っていた。
綾佳はようやく微かに微笑み、小さく手を振った。
凪子が静かに頷き、微笑みながら手を振り返した。
「…早くお帰りになってね…。大好きなお義姉様…」
見る見る内に遠ざかる車に向かい、綾佳はそっと呟いた。
…唇はまだ燃えるように熱かった。
車に乗り込んだ凪子と窓硝子越しに目が合う。
「…お義姉様…」
まだ夢心地な綾佳に、凪子は嫣然と微笑み、優雅な動作で投げキスを寄越した。
車が滑らかに動き出し、車寄せから離れてゆく。
綾佳は思わず数歩、歩き出した。
綾佳が追いかけるのかと思ったスミが慌てて、声をかける。
「お嬢様…?」
後部の窓硝子にこちらを振り返り、綾佳を見つめる凪子が映っていた。
綾佳はようやく微かに微笑み、小さく手を振った。
凪子が静かに頷き、微笑みながら手を振り返した。
「…早くお帰りになってね…。大好きなお義姉様…」
見る見る内に遠ざかる車に向かい、綾佳はそっと呟いた。
…唇はまだ燃えるように熱かった。
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