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この気持ち止められない キミのこと好きだから

第5章 キミしか見えなくなった

中学一年の夏休み直前、クラス全員のノートを職員室に持って行こうと廊下を歩いてた。
窓に照り付ける日射(ひざ)しに、外で行われる体育が最悪だななんて思いながら歩いていたら、後ろからぶつかられ持っていたノートが数冊落ちた。おいマジかよ!!ノートを拾おうと屈(かが)もうとしたら、女の子が拾ってのせてくれた。
それが美海と俺の初めての出会いだった。
美海「ごめんなさい。私がぶつかってしまったの。」
慧「・・・。」
美海「ホントにごめんなさい。」
慧「あっ大丈夫(笑)拾ってくれたし、ありがとう。」
美海「良かった(笑)すごく怒ってるんじゃないかと思ってドキドキしちゃった。」
メイ「美海どうしたの?」
美海「後ろからぶつかってノート落としちゃったの。」
メイ「そうなんだ。伊井尾くんごめんね。」
慧「いいけど・・・俺の名前なんで知ってるの?」
メイ「イケメンで有名だよ(笑)」
美海「あっ、みんな騒いでたねぇ。伊井尾
慧くん・・・慧くんかぁ。素敵な名前だね。伊井尾くんにぴったりだね。」
慧「あ、ありがとう。キミの名前教えて!!」
美海「上村美海だよ。よろしくね(笑)あっ、メイちゃん待ってよぉ!じゃあ伊井尾くんまたね(笑)」
なんなんだこのドキドキ感・・・俺もしかして一目惚れした?!

それからの俺は話すきっかけを作れなくて、悶々(もんもん)とした日々を過ごしていた。
しかも、そのまま夏休みに突入・・・俺ってマジにバカ!!

一大決心は夏休みの登校日の朝だった。
たまたま前を一人で歩くキミを見つけた。
慧「う、上村さんお、おはよう。」
美海「あっ、えっとぉ・・・伊井尾くんおはよう。」
慧「俺の事、忘れてたでしょ?」
美海「そんな事ないよ(笑)」
慧「上村さん俺キミの事が好きだ!!」
美海「えっ?!あの私、伊井尾くんの事あまり知らないし・・・。」
慧「・・・じゃあ友達からでいいから!!」
美海「・・・あ、ありがとう。好きになってくれて・・・。」
やっぱり、いきなりはマズかったかなぁ(笑)

その日の帰り道、女の子の集団が俺の前を横切る時に聞いた会話で、俺と美海の信頼度の高い友達の関係が一日で深まるきっかけになった。

女の子A「上村美海ウザ過ぎ!!」
女の子B「男子もデレデレしちゃってさ!!」
女の子C「でも、なんか今日はスッキリしたよねぇ(笑)」


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