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蜘蛛♠

第3章 アルバイト


そんな事も気にすることなく、架純は二人のテーブルに思い切り手をついた。
眼鏡のずれを指で直し、架純は坂本と目線を合わせる。
「だけどこれこそが、この招待状をポストに入れた人間の罠!!!そう思わせる事が犯人の、狙いなんです!!!」

架純の勢いが激しく増す。
坂本は大きく息を飲んだ。

「単刀直入にいいます!!犯人はこの中にいます!!!いや……、犯人は坂本さん!!!あなたです!!!この招待状は坂本さんの自作自演です!!」

架純の言葉に部屋の中がが一瞬で凍りついた。

「坂本さんは急用を偽って、恭介さんの家に来る必要性があった。それも私と恭介さんがセックスをしてる時間帯を狙って……。
そこで思い付いたのがこの招待状。
事件を装う事で半ば強制的に恭介さんを玄関に出させ、その隙に部屋の中へ突入する。
全ては私…………
私の裸を見るために………!!!!
これは巧みに計算された、坂本さんの性的犯罪計画なんです!!!!
そうですよね?坂本さん!!」

架純の鋭い視線が坂本の目の奥を突き刺した。

怯える坂本。
「…………えっ……、あ……違うけど……」
開いた口が塞がらないと言った表情をして、坂本は恭介に助けを求めた。
恭介はテーブルに肘を付きうつむいている。

「えっ?えっ?………何これ俺犯人???マジでぇ………?」
ため息をつく坂本に対して架純の表情が固まった。
「えっ?……えっ?ちがうんですか?そんなっ…………」
架純の顔が一気に赤面した。ゆでダコのように真っ赤になる顔を、手のひらで覆い隠した。

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