蜘蛛♠
第3章 アルバイト
それとは対照に顔面蒼白になる恭介が、またやってしまったといった表情で坂本の顔を覗き見る。
ここ最近、推理小説にはまっている架純は、突然探偵になりきるへんなクセがあった。
しかも名探偵架純の推理は、今まで一度も謎を解いたことがない。
名探偵と言うよりは迷探偵のがよっぽど近いだろう。
すると恭介が
「さーせん坂本さん!!!この子悪気はないんです!!最近推理小説にはまってて突然スイッチが……元々天然だしちょっとタチが悪くて……本当申し訳ねぇっす!!」
「坂本さんごめんなさい!私どうかしてました~!!!恭介さんの友達を疑うなんて……私のバカッ!バカ!バカ!バカ!」
架純は自分の頭を自分で叩き出した。
「ハハハ!!大丈夫っす!て言うか~面白いね~架純ちゃんて!!いや~、ビックリしたけど~」
言って坂本は話題を元に戻す。
「で、これさ~~どう思う~~?やっぱしただのイタズラかなぁ?」
再び3人は招待状に注目した。
送り主は「幻影旅団」と名乗る人物。
怪しくないわけがない。
ただのイタズラですめばいいが、何かの罠の可能性も充分にありえる。
性行為を覗いただけで10万円もらえる。そんなうまい話が世の中にあるわけがない。
数秒の沈黙の後、坂本は突然立ち上がった。
「なぁ、恭介。これ、一緒に行かないか?」
『えっっ!!!???』
恭介と架純は驚いた表情で坂本を見上げた。
※この小説は半分フィクションです。