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好き心少なからず

第16章 近付きたい~曽根崎×速水~

「何読んでるんだ?」

頭がうまく回らないまま、差し障りのない会話をする。

速水は疑問を浮かべたままの表情で、本の表紙を見せてきた。

本のタイトルなんて分かってる。

そうじゃなくて、話がしたいんだっての!!

「あ、それ、結構人気でたやつだな」

「そうなの?」

え?知らないのかよ!?

「そのシリーズ、ドラマ化もされたし、その本だって映画化されたやつだし」

結構話題になった作品なのに。

「へぇ…そうなんだ」

「知らないで読んでたのか?」

その問いに、速水は小首を傾げた。

マジかよ!?

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