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好き心少なからず

第39章 実験~岸田×八神~

頭のなかで声がして、咄嗟に振り返った。

だけどそこには誰もいなくて…

「あ…だよな」

ため息をついて、もう一度引き出しを探ると、奥の方に箱に入ったバンドエイドを見つけた。

「あった…」

箱を手に取り…さっきの声を思い返す。

頭のなかでした声は、輝穂のものだった。

いつも準備室へ来ては、俺を注意する声。

生徒とは思えない程、冷静で的確で落ち着き払っていて…

なのにさっき名前を呼んだときに、パッと俺を見上げた顔は…

上気した頬。

戸惑ったように瞳が揺れていて…

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