マジカル☆ステッキ
第1章 プロローグ
アリサは手に持つマジカルステッキを握る。
妥協すべきか否か、ヨシヒロの実力は十分に知っている。しかし仮にも魔法学校が認めた勇者。
勇者には変わりない。
だが、ヨシヒロではアリサのパーティーを務めるのは無理だろうと彼女は思う。
悔しいがヨシヒロの言うとおり勇者の適正を持った人物が、落ちこぼれであるアリサとパーティーを組む可能性は皆無。
────世界はインポッシブルで溢れている。
それでもアリサは“勇者”を求める。
彼女の野望を満たすのは勇者でしかならない。