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「ヨシヒロが無理だと言うなら、わたしは他の勇者を探さなければならない」

　アリサにとっては、勇者は必要不可欠。
　それはヨシヒロでなくても勇者であれば、誰でもいいわけでもある。

「わたしの目的はヨシヒロと冒険することじゃない、魔王を退治することなの」

「うん……わかってる。でも、ボクでいいの？」

「それを決めるのはわたしじゃない」

　冷たく突き放す言い方だった。
　けれど、アリサはヨシヒロが決めなければならないことだと答えを委ねた。

　自分とてヨシヒロを、魔王退治に巻き込み彼自身はおろか自身の命の保証すらないのだ。

（これは良い機会なんだ。本当にいまさらだけど、ヨシヒロにだって覚悟は必要だ）