マジカル☆ステッキ
第6章 初めての気持ち
初めての感情だった。
自分の意思がまとまらず、何が正しいのか、どうすればいいのかわからない。
こんなことは、今までなかった。
(あの時から────進む道は決まっている)
三年前の悲劇、その時でさえアリサは現状を受け入れやるしかないんだと悩むことはなかった。
その気持ちは今でも変わらない。
真実を告げることは必要ない、それがアリサの出した答えだった。
しかし、ヨシヒロの気持ちを考えると、本当にそれでいいのか迷ってしまう。
自分を慕う、ヨシヒロの心がアリサを苦しめる。