マジカル☆ステッキ
第6章 初めての気持ち
「アリサ……」
ヨシヒロはアリサの手にそっと触れ、握りしめた。
「ごめんねアリサ。ボクが、ラックワードさんとの関係を聞いたから」
ヨシヒロが謝ることはない。
命を懸ける覚悟をしたのだ、それを知りたいと望むのは当然のこと。
────裏切るかもしれない相手と、心を許し一緒に要られるわけがない。
「アリサが言いたくないなら聞かないよ」
「それでいいの? ヨシヒロは覚悟をしたのに、わたしはヨシヒロに隠し事をしている」
真実を告げたくないアリサにとって、ヨシヒロの優しさはありがたい。
けど、それに甘えていいのか? 彼が純粋だからこそ、逆に騙しているような気分になる。